客人週間 6

2007年04月27日

ヨーロッパに住むまで、私は自分が断然魚好きだと認識していた。
もちろん松坂牛た神戸牛、佐賀牛のトロけるような牛肉や
宮崎地鶏の香ばしさなど心惹かれるもはあるが、
コハダの〆やトロのあぶりには敵うわけないと確信していた。

大陸には大層なものがあるんだよ、
視野が狭かったって感じたね、わたしゃ・・・。
肉も旨いよ、旨い。


今回のメインテーマのひとつ
「キアナ渓谷でキアナ牛を食す」

以前にも類稀なる肉の美味しさについて書いたことがあるが、
どうやら、まがいものも多く出回っているらしいのだ。

本物食べるなら、産地に行ってみるでしょ?!
ということで、キアナ渓谷の真ん中、ルチニャーノの
歴史と伝統を誇る店を訪ねることに。

スイスで牛を見慣れている私も、キアナの生牛・なまうしを是非見たかった。
あたり一面、白い牛達がいるかと思いきや、
最近は過保護に小屋暮らしの牛も多いとか・・・。

DSCN2725.jpg

モノの本には、フィレンツエから70キロとあったので、気軽に思っていたら、
いやいやもっとある、途中で日がとっぷりと暮れてしまう。
心細くなるような田舎道をひた走ると、ぼんやりと小高い村に明かりが見えてきてホッ。

1903年に開店した当時のままという、中世を思わせる店内。
牛のせりの様子を物語る写真や絵が飾られていた。

DSCN2731.jpg


「まっ3人前とりあえず頼むか」

「注文は1キロ単位となっています」
「4名様だと2キロがよろしいかと・・・・。」
「えっ一人頭500グラム?」、ひるむ我が客人。
「骨もあるからさー。いけるっていける。」

DSCN2734.jpg焼かれる前。きゃー。厚さは指三本分。

DSCN2743.jpg焼かれた後。ぎゃー。縮んでない。

Tボーンで分けられた、ロースとフィレ。
顎で租借するたびに肉汁が口の中に広がり、恍惚の表情。
しばし堪能の時が過ぎ・・・
しかし、まだ皿には肉の塊が残る

「助けて、もう、おなかいっぱい」
「俺、たばこ一本吸って休憩してくる」
「付け合せを食べてる場合じゃないよ。」
「悔しい!!牛みたいにたくさん胃があったら残さず食べられるのに」

胃袋には自信のあったツワモノぞろいのはずだったが
骨までしゃぶるまでは制覇できず、志半ばで店を後にした。

次の日、
「昨日肉が夢に出てきたよー。あー今だったらあのステーキ間食できるのに。」
リベンジマッチは胃腸を鍛えて、昼抜きで望まねば。


La Rocca
Via Giacomo Matteotti 15
LUCIGNANO(AR)
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