ヨーグルトの不思議

2007年02月09日

あの時、もう少し待っていればよかったのだ。

日本からスイスへ向かう飛行機に乗り込んで、
すぐに本やお土産がパンパンにつまった手荷物を棚に上げたかった。
上げたいが制限ぎりぎりの重量を自覚している私は
周りの紳士を探してみた。目を合わせてくれる紳士はいない。
もともと客室乗務員に頼みごとをするのが苦手な私は
待ちきれず、遠心力を使って上の棚めがけてバックを振り回した。

「おっいけた。」

”ブチ”  
えっつ?今”プチ”っていった?

そう私の左腰が ”プチ”って音を立てた。
体中の音を聞いたのは右膝靭帯を伸ばしたとき以来だ。


トランジットのロンドンでの長く面倒なセキュリティも
”プチぎっくり腰”をさらに悪化させる要因となり
スイスに着いた途端、何するのにも
「あ 痛 痛 痛」。

一週間は自宅療養。しかし一向に回復の兆しなし。

見かねた心優しい友人が行きつけの整体師のところに付き添ってくれたのだが、
10分間ささーっとマッサージしたのち、
美人整体師いわく
「腫れてますねー。2,3日したら落ち着きますよ。」

再び訪ねた一週間後、
「背骨の骨と骨の間が溶けてる」と笑顔。
「溶けてるって??」

この一週間で溶け出しているならじっとしていられない。
他の療法も試してみなくちゃ。

続いては日本で修行をつんだフランス人の指圧師に身をゆだねる。
身体を触りながら、問診。舌まで観察して1時間。

「乳製品の食べすぎ。ヨーグルトとか今の半分の量か1日おきにしてみてください。」
「えっつ注意はそれだけ?」
「次はいつ来れば・・・」
「えっ? 次? 私は来週からバカンスだけど・・・。なぜ?」

腰痛と乳製品の因果関係がつかめないまま、
ただ、毎朝小どんぶり一杯食べていたヨーグルトを減らしたら
本当に次の日から痛みが消えたのである。
バカンス帰りを待つ必要がなかった
指圧が効いたのか、ヨーグルト減らし療法が効いたのか未だ不明。

ちなみに、“ぎっくり腰”はドイツ語で“魔女の一撃”一撃で一ヶ月もやられました。
しかし、大好物ヨーグルト。もっと食べたい。